もともとアレルギー体質だった私は、長年花粉症に悩まされていました。春先は人前に出る仕事が多いのですが、一番症状のひどい時にあたるため、ティッシュを用意して講演したり、鼻炎スプレーをしてから司会の仕事をしたりで、最悪の毎日でした。
平成16年春、打ち合わせのため福井県大野市のシルクプロテイン製造メーカー・株式会社ベスト工房を訪ねたとき、冬虫夏草の栽培に成功して、純日本産の冬虫夏草濃縮エキスがあると教えてもらいました。社長の長谷川司さんとは、7年まえに大阪のある企画会社で講演したとき、初めてお会いしたのですが、無菌のかいこを育ててシルクプロテインを製造していると伺っていました。その無菌のかいこの背中に、冬虫夏草の菌を植え付けて4ヶ月待つと、冬虫夏草が大きく成長してきます。この冬虫夏草を熱処理しないで、濃縮エキスと粉末にして、栄養補助食品として製品化されたのでした。
冬虫夏草は昆虫に寄生するきのこの一種で、古来中国で不老長寿の薬として、皇帝が愛用した高価なものです。分析によると、冬虫夏草には免疫力を高める物質が多く含まれていることが分かりました。特に抗腫瘍や、抗アレルギーに効果があるとされるβグルカンが多量に含まれているため、免疫機能を強くして、細胞を活性化させるというのです。
それなら花粉症の症状が改善されるかもしれないと、一箱60錠入りの冬虫夏草カプセル「天絹草」をいただいて、毎晩2錠づつ飲んでみたところ、約1ヶ月で鼻水が止まり、痒みも和らいで、首や腕の湿疹がうそのようになくなってきました。飲み始めて6ヶ月後に、一日ドックで検診を受けたのですが、血液中の中性脂肪が大幅に下がり、体重も3キロ減っていました。また、疲れにくくなったことを実感したり、いつも出来る口内炎がなくなったりもして、冬虫夏草の効果を信じるようになりました。
当時、化粧品メーカーのアドバイザーをしていたので、シルクプロテインを商材に使えないかと、ベスト工房を訪ねたのですが、結果的に化粧品メーカーでは製品化することができないまま、私も化粧品会社と契約が終了してしまいました。
私の思いは、アレルギー体質の人にも安心して使えるシャンプー・コンディショナー・ボディソープ・洗顔ソープなどを作りたいということでした。アレルギーに効果があるといわれている冬虫夏草のエキスを加えて、これらの製品を作れば、きっと喜ばれるだろうと信じて、ベスト工房の長谷川社長に相談したのですが、長谷川社長は、大変高価な冬虫夏草のエキスを、洗い流してしまうシャンプーに入れるのはもったいないと言いながらも、血流を良くする作用があるといわれているので、髪の毛にも良いかもしれないとのことでした。
平成16年10月から、商品化に向けて商材を検討し、冬虫夏草エキスのほかに、無菌かいこから抽出したシルクプロテインを多く入れて、ミネラルの珊瑚パウダーを加えることにしました。私のこだわりは、出来るだけ天然由来成分で作ることだったので、合成の界面活性剤をやめて、椰子のみから作られた界面活性剤を使い、パラベン無添加、無着色、無香料にして試作品を作り、アトピー性皮膚炎の友人や、アレルギー体質のひとにモニターしてもらったのです。
製造メーカーは、大阪市のヴィダジャパン株式会社にお願いして、私の無理な注文を聞いていただきました。何度も試作品をやり直して、モニターをしてもらった結果、アトピー性皮膚炎の友人からは、「痒みもなく、湿疹もでないので、本当にうれしい」とのことでした。また、髪に腰がなくて乾燥髪のひとからは、髪につやと腰が出てきてしっとりしているとの声や、髪に手を入れると髪の根元がしっかりしてきた感触があるとか、髪を乾かすとふんわりボリューム感がでたという声がありました。私自身も使ってみて、髪がしっとりとしてつやが出てきたのを実感するようになりました。
平成17年5月30日に、ブランド「久蘭」のシャンプー・コンディショナー・ボディソープが完成して、発売することになりましたが、これまでソフトだけで仕事をしてきた私にとって、商品を売るという難しさに直面することとなりました。販売ルートがないうえに、原価が高くついてしまったので、直売するかインターネットでの販売しかありません。ただ商品の中味が、本当に良いものであれば、口コミでも広まっていくだろうと気楽に考えています。
原価が高くついたため、容器にはあまりお金がかけられなくて、既製品のボトルを使いましたが、シールはプロにデザインしてもらい蘭の花をモチーフにして、シャンプーはグリーン、コンディショナーはピンク、ボディソープはブルーと3色の色使いにしました。それぞれ200ml入りで、税込みの3600円です。小さく見えますが、約2ヶ月持ちます。少量でも細かい泡がでて、すっきり洗い流すことができます。
周りの人たちから、なぜブランド名が久蘭なのかと聞かれます。平成2年、私が担当していたABCラジオの番組で俳句コーナーがあり、私も俳句を作る楽しさを教えていただいたのですが、リスナーの方から私の俳号をつけていただきました。ラジオから聞いていると私のイメージが蘭の花ようなので、「蘭女」はいかがですかとのことでした。顔が見えないラジオの良さで、私のようなあわてものでそそっかしいタイプなのに、蘭の花なんておこがましいのですが、「蘭女」は江戸時代の実在の人なので、名前から「久」をとり「久蘭」としました。
以来15年、俳句はときどき作る程度ですが、この俳号は私のお気に入りの名前でした。今回ブランドを立ち上げる際に、和名のブランドにしたいと思っていたので、すぐにこの「久蘭」(くらん)に決めました。
幸せなことに、朝日新聞の別紙アサヒファミリーに「久蘭製品」を取り上げていただきました。平成17年7月8日付けのトレンドコーナーに、この夏使ってみたい自然派コスメ&ヘアケアとして、カラーアナリストが考案したヘアケアシリーズ「久蘭」と紹介されたのです。
なぜカラーアナリストがヘアケア製品を作るのかとよく聞かれます。似合う色のヘアーカラーを楽しみたい人のために、オリリー化粧品で開発した「リライアントカラー」を、自分自身で何度もモニターしていたため、髪が傷んでしまい、なにか髪を回復させるいいものはないかと考えていたためです。「リライアントカラー」は別のカテゴリーにくわしく紹介していますが、似合う色でヘアーカラーをしようというもので、桃の葉エキスやシルクプロテインを加えた髪にやさしいヘアーカラー製品です。
やっと実現した髪を守るヘアケア製品「久蘭」シリーズ、9月末には、冬虫夏草入り洗顔ソープを発売しました。一度試してみて、商品の良さを実感してくださいね。
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