色彩の世界は奥が深く、私たちの生活のあらゆる分野に大きく関わっています。「カラーの時代」といわれ、その重要性が一般的に知られるようになりました。
「この色が好き嫌い」とか「この色がここちいい」など、感覚的に色彩をとらえることが多いのですが、色彩は私たちの体に物理的に作用していることが分かっています。
17世紀の終わり頃、ニュートンはプリズムを使って太陽光の分散の実験をしています。光が波長によって赤・だいだい・黄・緑・青・青紫・紫の7色に分かれているのを発見しました。この色の帯をスペクトルといいます。私たちが色と知覚しているのは、赤から紫までの波長だけで約780ナノメートル(10億分の1メートル)から約380ナノメートルの間です。このわずかな範囲の電磁波が目に見える光の可視光線です。赤より波長が長くなると赤から外の赤外線やレーダー波・テレビ波・ラジオ波などの電磁波で、紫より波長が短くなると紫から外の紫外線やX線・ガンマ線・宇宙線などがあり、目に見えない不可視光線です。色彩がテレビの電波やX線などと同じ電磁波の仲間であることは、あまり知られていません。
赤に囲まれると、血圧が上がり、血液の循環が良くなりますが、青に囲まれると、物理的に血圧が下がり、血液の循環が停滞して涼しく感じます。私たちは気づかないうちに周りの色彩に影響されているのです。
色彩の持つ不思議なパワーを、衣食住のなかでうまく取り入れることで、心豊かな生活ができるのではと思います。
また、一人ひとりの似合う色を見つけることも大切です。
|
|
|