平成14年に、縁があって岐阜県益田郡萩原町(現在、下呂市萩原町)に建設されるデイケアセンターのカラーコーディネートを引き受けました。周囲を緑の山々が取り巻き、眼下に飛騨川の流れが広がるという絶好のロケーションも気に入って、慎重に色を選びました。建物全体のカラーイメージを大きく左右する屋根瓦の色が5色しかなく、苦しい選択になりましたが、オレンジ系の赤とくすんだ黄色を3対1の割合で使い、この屋根とのバランスを考えて、外壁の下半分に赤のレンガを重ねることにしました。
外壁の上半分をどんな色で塗装するかで悩んだ末に、パステルのコーラルピンクを提案しました。何度か試し塗りをして、天候や時間帯をかえて色をチェックしてから塗装したのですが、本番では2度塗りしたため、試し塗りよりも濃く色が出てしまい、イメージしていた色と違うことに少し悔しい思いをしました。
内装の天井や床、壁の下半分はふんだんに使われていた間伐材の素材をそのまま活かし、目線が集まる壁の上半分は漆くいにしてパステルピンクを、また、浴室、トイレ、カーテンなどにもピンクを多用したため、やさしく、暖かな雰囲気になり、スタッフや利用者にも好評です。 |
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