平成12年、オリリー株式会社と契約して、似合う色のヘアーカラーを開発することになりました。
最近、ヘアーカラーをするのが当たり前のようになっていますが、顔の三方を覆ってしまう髪の毛の色は、むしろ胸元の洋服の色よりも顔には大きな影響を与えます。ヘアーカラーをするときに、似合わない色を選ぶと、肌がくすんで顔色が悪くみえたり、シミ、ソバカスが目立ったり、髪の毛だけが浮いて見えたり、せっかくのおしゃれが台なしになってしまいます。
化粧品と同じで、これまでヘアーカラーの色はイエローベースタイプの人に合う黄みの強い商品が多く、ブルーベースタイプの人に合う色が少ないと感じていました。そこで、ブルーベースタイプ用とイエローベースタイプ用に分けてヘアーカラー製品を作ることにしました。
技術者の女性と私の2人で研究室にこもって、ブルーベースの色つくりに専念しましたが、やはり青みを加えた色を作るのは大変難しくてやり直しの毎日が続きました。モデルを使ってテストを重ねた後、友人や一般の人にモニターをしてもらい、ブルーベース用14色とイエローベース用16色の合計30色のヘアーカラーをラインナップさせました。
業界ではカッパーと呼んでいる黄みの少ない赤のほか、ワインカラー、グレープ、アッシュブラウンなどがブルーベースタイプ用で、これまでになかった画期的なヘアーカラーです。一方で、イエローベースタイプ用のマット、オレンジ、キャロット、イエローも加えて、業務用として発売することになりました。
約2年間をかけて開発した「リライアントカラー」は、平成14年7月から全国のオリリーサロン(美容さろん)で取り扱われています。美容師が簡単な肌質チェックを行い、ブルーベースかイエローベースかを判定して、似合う色のヘアーカラーを提案するというスタイルをとっています。といっても、お客さまにむりやり押しつけるわけではありません。これまでのように美容師の主観や感性だけで色を選ぶのではなくて、カラーアナリシスの理論を取り入れて、お客さまの好みも聞きながら、その色に近くて、最も似合う色もお勧めできるという、これまでになかったユニークな方法だと自負しています。 |
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株式会社ワンダー 代表 美容サロン経営の綿引勉さん |
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オリリーマネージメントフォーラム(2002年) |
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